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教育セミナーでもらった資料に「ピグマリオン効果」という考え方が紹介されていました。自分には聞きなれない単語でした。要するに、人間は期待された通りに成果を出す傾向があるから子供を否定せずよく褒めなさいってことみたいです。
同じ心理学用語なら「ピグマリオンコンプレックス」のほうが聞く機会が多いかも。ただしこちらは教育分野ではなくフェミズムやパラフィリアの話題で出てくるものですが...
ところで"ピグマリオン"については、神話を元にしたラモーのオペラ・バレエ、バーナード・ショーの戯曲、更にこれを映画化した「マイ・フェア・レディ」などがあり、古楽を扱ってきた者としてはラモーの作品が一番なじみ深いです。でも、いつ聴いてもストーリーは異常だなと思います(笑)神話なので。
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キュプロス王であり天才彫刻家のピグマリオン(若いイケメン)は、女性不審のため生身の女性とかかわるのをやめて、自身が信仰している女神をモチーフにし100パーセント自分の理想通りの女性像を彫り上げました。
でもその完璧な出来映えゆえに自ら像に恋してしまい、ガラテアと名付けてキスしたり食事をあげたり夜はベッドに寝かせたり(汗)...異常なまでにのめり込み、ガラテアが人間だったら結婚できるのに...と思い悩んで食事も喉を通らなくなります。
これを見て心を痛めた女神が「あたしをモチーフにした像に惚れちゃったのね偉大な才能(彫刻)への返礼よ」と、ガラテアに命を与え、人間になったガラテアとピグマリオンはめでたく結ばれます。
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このあり得ないストーリーにラモーが音楽をのせたのが、1748年初演のオペラ・バレエ「Pygmalion」。優雅で美しい曲がいっぱいですが、残念ながらバロックファンでもない限り、普通の人は死ぬまで聴くことはないと思われます。知名度が低すぎて日本ではまだ上演されたことがありません。(曲単体で歌われることはあるけど)
万が一、興味をもってしまった奇特な方がいらしたらこちらをご覧ください。音声だけですがピグマリオン役が歌う有名なアリア「愛神の勝利 "Regne, Amour"」が聴けます。
しかしこのピグマリオンて青年は、現代に生きてたら立派な犯罪予備軍でしょうね。先に触れた「ピグマリオンコンプレックス」、自分の思い通りに女性を育てると言えば源氏物語の紫の上もそんな話だったような。
一方で、人形偏愛としてのピグマリオンコンプレックスならオッフェンバックの「ホフマン物語」を連想します。ただホフマンの場合は、人形が人形だとは気づかず恋してたので正確にはピグマリオニズムにはあたらないでしょうね。そして彼は人形だけでなく娼婦や瀕死の歌手にまで恋しては見事に全部砕け散ってるので(爆) 話自体はピグマリオンよりずっと面白いです。
最初の教育の話からだいぶ脱線してしまいました。
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