塗装のために後から作った大きいほうのパーツを撤去してみてふと気づいたことに、
ひとつあれば十分でした笑
肝心なことに気づくのになぜこんなに時間がかかったのか自分でも不思議なのですが、なにはともあれこういう結論にたどり着いたので、撤去したパーツはさっそく解体して端材入れに放り込みました。
「いずれ不要になったときに綺麗にばらせるように」と釘打ちしなかった訳だけれども、こんなに早く壊すことになるとはorz
で、じゃあ小さいパーツのほうを塗装するかと思ったら
また壊してる!!そこを剥がすなっ!!!クワッ
って犯行現場をカメラにおさめてる場合じゃなかった。コーナーガードが引きちぎれるのが面白いらしく、猛スピードで全部剥がしてしまい、あっという間に角が露出。
何かまずいことをやったと薄々気づいている顔↓
まあ粘着テープだけでとめておいた私が悪いのですが。大概の速乾強力接着剤って発泡スチロールを溶かしてしまうものが多いので、専用のものを用意しなくちゃならないけど結構高くて。仕方ないので大きなタオルケットをたたんで厚くしたものをかぶせ、踏み台をすっぽり覆うことにしました。
いつまでも被せておきたくないので、ゲート作りが終わったら対策を考えます。
ベビーゲート、そもそもなぜDIYか
今回ベビーゲートを設置しようとしてる場所は、間口1間(いっけん)の居間と寝室の境界。
居間が片付いていれば入れても構わないのですが、まだぐちゃぐちゃ。作業を中断してる棚とか、これまたDIYでクロゼット化した押し入れとか。なので親たちが手が離せないときはどうしてもゲートで通れないようにするしかないのです。
ところで、ベビーゲートって具体的にどんなものがあるのかというと
●扉タイプ
ゲートを設置したまま扉から出入りできる。
扉を囲むコの字型の枠を左右の壁に突っ張らせて固定するという構造。新築や賃貸物件などで壁に穴あけたくない場合でも、突っ張るだけで付けられる製品のもある。ねじで締めて固定ればもっと頑丈になる。
しかし↑のような幅の広いものを用意しているメーカーはほとんど無く、あっても横方向にしか固定できないため幅が広くなるほど強度が下がる。
●カーテン・引き戸タイプ
安価で手軽に付けられる、固定は基本的に片側のみの製品。強度に問題あり、ちょっと子供が大きくなって知恵も力もついたら開けられてしまいそう。
●通せんぼタイプ
”ベビーフェンス”とも呼ばれているもの。サイズが豊富で、幅広い間口にも付けられるし、扉タイプより安価。ただ、扉がないので親たちはまたいで通るしかない。また、広い間口にツッパリ機能だけで(ねじ使わずに)付けた場合、「子供が倒してしまった」というレビューも散見される。
ほかにもいろいろありますが、主に出回っているものはこんな感じです。設置したい箇所が半間(900mm前後)なら選択肢も広がるのですが、うちのように1間の広さに平らにつけたいとなると、もう通せんぼタイプしかありません。
だから当然これを買おうと最初は思ったのですが...。実は夫が普段から足元が怪しく、常にどこかにぶつかったり躓いたりしていて生傷が絶えない人なのです。家の中もちょっと散らかってるともう駄目。散らかって無くてもテーブルを蹴ったりしてるので注意力散漫というか気を付ける気がないような気も。特に寝起きは危なくて、見ててハラハラします。
従って、うちがベビーゲートに求める条件は
①1間分の広さをカバーできるもの
②娘が体当たりしても壊れない、強度のあるもの
③扉がついており通り道はバリアフリーなもの
ということになるのですが、これらを満たす既製品がいくら探しても見つからないので、DIYしようということになったわけです。
ベビーゲート作りに必要な材料
ゲートをつけなくちゃいけない、と分かった時点で「家の中に障害物が増える」のが嫌な夫は購入にも自作にも乗り気ではありませんでした。設置しなくちゃいけない状況は理解できてるけどやっぱり乗り気でないって言うか、もうママで勝手にやってって感じ。
なんとか一緒に作りたいので「じゃあパパにも危なくないのを作ろうか」と提案しても「作るくらいなら買えば」と言うので、再度ネットに掲載されている既製品をいろいろ見せたら、またしても「まず自分がぶつかるだろうな...またげないな...」と、言いながらその台詞もフェードアウト...どんだけ消極的なの。
じゃあもう勝手にやるよ、ということで設計してみた。ほんとうにこのとおり出来上がるのかまだわかりません。大丈夫かな、ほんとうにやっちゃうよ?
まず壁や柱に穴を空けたくないので、釘・ねじを使った固定法はパス。そして通路をフラットにするにはどうしても扉の下に梁を通せないので、横方向のツッパリは不可。なので縦方向にボルトで突っ張らせることにしました。素人でもできる一番シンプルで安価な方法です。
ボルトがあたる部分は引き戸のレールになっている(凹凸がある)ため、一枚板を当てるか貼るかして押し上げるような構造です。
材料は先週のうちに調達しました。木材は全ていっちばん安いSPF材で。ほんとうは幅57ミリ~63ミリが欲しかったのだけれど、タイミングよく島忠で89ミリ幅が安売りされたので、89で統一してしまいました。
カット代がもったいないので今回は切らずに配送だけお願いしました。どんだけケチるの...
材料費(木材のみ)トータル 2,928円。↓
ほかに買ったものは、
●補強用の金折(アングル)
バラだとひとつ¥80とか¥45とか。駄菓子みたいに安いものたちを選んだので、やたら分厚いです。いやこれでも高いぞ!予算に余裕があるならこういうのは大袋で買ったほうが得。
(左)シンプソンのタイプレート。1枚¥40だったかな。私が見たことのあるシンプソンの金具で唯一の「100¥以下」でした。別にシンプソンじゃなくてもよかったはずだけど一度使ってみたかったんです涙
(右)プレートと柱の接合を補強するためのアングル。2枚で¥350とちょっと高い上に、本当に使うかどうか分からないのについ買ってしまった。(これ買った後で使う木材の厚さを急遽店で変更したため、結局このアングルは不要になってしまった。)
●六角ボルトセット・ナット・角座
ボルトはそこそこ太いほうが良いだろうということで、10ミリにしました。ピッチ15なのでかなりガッシリした感じです。
角座は、ナットが木にめりこむのを防ぎたかったので用意しました。ボルトは、木材の接合部分(=金折れで補強した部分)に限りなく近づけて付けたいので、ほんとうはボルトを通せる穴のあいた金折れがあればよかったのですが、これが高い涙
あきらめてこのように一枚¥20の角座を別に用意したのでした。
●蝶板
娘が扉に足をかけてのっかる可能性があるので、さらに扉の自重も考慮して耐重量20kgのものにしました。2枚組み¥310。
●鍵
よくある簡単なタイプの鍵。いずれ突破されてしまうんだろうか。そのときは付け替えですね。¥298也。
材料費の予算は 5,000円。
今のところ予算内におさまっています!
いよいよ着手
まずは木材のカットから。必要な長さはメジャーで測って把握済みですが、「既存部分と同じ長さが必要」という場合はマスキングテープでその既存部分を測って剥がし木材に貼りなおして目印とすることで、少しでも間違いを防ぎます。
全部しるしをつけたら、なんとこれまで消極的だった夫が「切ってあげる」とのこと!まじかよ!どうしたの?!お言葉に甘えて全部切ってもらいました。
間口に密着させる枠部分と真ん中の柱は38mm厚さなので、かなり切り応えがあったそうです。助かった~!!でもやっぱり丸のこ欲しいね。
ところで肝心な設置箇所には現在アコーディオンカーテンがかかっているので、これを外しました。
この年季の入ったカーテン、実はこの部屋を売ってくれた元オーナーさんの持ち物なのです。置いていかれたので、じゃあうちで使いますということで壁の張替えのあともそのまま残してもらっていました。タバコのヤニが染み付いていて、かなり使い込んだ様子のカーテンです。
元オーナーはひとり住まいのおばあちゃんで、老人ホームに入るのでこの家を売却したそうです。契約のときに一度だけお会いしましたが、しゃきっと姿勢よく気丈そうな品のよさそうな方でした。
これは私の勝手な想像なんですが...
おそらく彼女はここが新築されたとき旦那さんが購入して、ここで子供を育て、子供が独り立ちして旦那さんに先立たれ、それで独りになったのです。近頃では自分も体が思うように動かなくなってきたけれど、子供と同居するわけにもいかず、自らこの家を売って老人ホームに入る決断をしました。リフォームやリノベーションして引き渡すほどお金がないから、今まで自分が暮らしてきたこのままで値をつけてもらって、誰か買ってくれる人がいたらいいなと待っていました。契約のとき赤ん坊を連れて現れた私たちを見て一言「まあ」と言ったのは、数十年前に自分たちが入居してきたときの光景にそっくりだったからです。ブワッ
って、はい妄想終わり。
でもこのアコーディオンカーテンを見てると、この家で彼女とその家族がどんな思いを重ねてきたか、彼女はここを引き渡すときどんな気持ちだったのか、と考えずにはいられないのです。それで、こんなに汚いのに(リフォーム業者さんにクリーニングはしてもらったけど)、これがなくなったら以前暮らしてきた人たちの気配が全くなくなってしまいそうで、切なくてどうしても捨てる気になれないんです...。
なので今回外したものの捨てずに、そのまま居間とキッチンの間に移設しました。
このとき困ったのが、レールを外そうとしたら5つある木ねじの2つのねじ穴が死んでるんですよね汗
理由は大体想像がつきます。おそらくおっちゃんとこの業者さんが、これを掃除するのに外そうとしたものの、ねじが古くて堅くて外せなかったのでしょう。二つまわして両方ともねじ穴壊しちゃったので、外すのあきらめて吊るしたまま拭いて終わりにしちゃったんでしょうね。
このレールを外さないとゲートを設置できないので無理やり外しました。カーテン本体もレール外さないと取れない構造なので、とても重かったです。お陰で今度はレールのねじ穴が大きくなってしまいましたが、新しい木ねじをつかって移設は無事に完了。まだまだこのカーテンにはお世話になります。
だいぶ話がそれましたが、ゲート作りの話に戻ります。
まずパネル部から作っていきます。
ここで合い釘を作るのが一番の課題でした。ダボを使えばよかったのでしょうが、大きいのは高くて...(72本も必要なのに、4本1袋で100円というのしか売ってなかった)。ダボの代わりになりそうな気の利いた素材もなく、そして合い釘も売ってなかったのです。合い釘って既製品は無いものなのでしょうか?カスガイを使うことも検討しましたが、大きさ的にちょうどいいものっていうと所謂糸カスガイっていう一番小さいタイプのもので、すっごく便利そうだけどこれが2本で140円...orz
てなわけで、極限まで予算を抑えるためには合い釘自作という選択肢しか見つかりませんでした。
喰切という道具を使って切っていくのですが、今私がもっているものは子供の頃に見た父(大工)の持っていた喰切の半分くらいの大きさ。おもちゃみたいに見えます。そして大人の私の力でもなかなか切れないのです。
釘の頭が飛ぶので袋の中で切断。
ひたすら握り締めて切断、という作業を続けること一時間あまり。
↓こんなかんじのをとりあえずパネル組み立てるのに必要な分だけ作りました。
扉分もつくりたかったが、40本分切ったところで力尽きた。夫、気の毒そうに見ているなら手伝ってよ。大きなペンチがあったら楽だったでしょうね。かなりの本数を切るので刃が壊れるというリスクがあるけど。
次はドリルで木に穴あけ。双方の木に合い釘が同じ長さだけ入るような穴を空けなくてはならないので、ドリルビットにビニールテープで目印をつけます。
片側の穴に釘の切断部分から差し込み、もう片側の木を当てて軽く跡をつけ
その跡めがけてまたドリルで穴を空けて差し込んでいく...
ってやりたかったのですが、
最初に空けていく穴が垂直じゃないため釘が曲がって刺さり、次の穴にもうまく刺さらないという最悪の事態に。素人の癖にクランプも使わずにうまくいくわけもないでしょうが...
とにかく、うまくいかないのでもう片側に釘を刺したら、もう片方の板は穴あけずにそのまま差し込むようにくっつけました。パインだから、運悪く枝跡にでも当たらない限りはすんなり入ってくれます。ちなみに後で気づいたけど、ここで接着剤入れながらやるべきであった。
このあたりからもう工程を撮影することも忘れて作業に没頭。かなり必死でした。
悪戦苦闘している私を見て、そばで見ていた夫が途中から一緒に押さえたりしてくれて、なんとか完成。
真ん中の柱に接合したら力尽きました。
手伝ってくれたものの夫はまだまだ乗り気ではないようです。すごく大変だからもう少し手伝って欲しいんだけど・・・。
(続き:
「ベビーゲートがようやく完成 」)